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鬼を背負って戦う剣士。<アニメ>『鬼滅の刃』

鬼滅の刃』(きめつのやいば)は、吾峠呼世晴によるマンガで、2016年より『週刊少年ジャンプ』(集英社)に連載されている。
大正時代の山奥の寒村で生まれ育った、家族思いの優しい少年 ・竈門炭治郎が主人公。

亡き父の跡を継ぎ、炭焼きをして家族の暮らしを支えていた炭治郎が、雪深い日に町まで墨を売りに行き、翌朝戻ってみると、なんと、家中血まみれで見るも無惨。
母や弟たちが鬼に襲われ、滅多切りで殺されていた。
驚愕する炭治郎が、なんとか細い息をしている妹の禰豆子を助け出すが、鬼に傷つけられたところから段々と鬼と化してしまう。
その禰豆子に襲われかけた炭治郎を救ったのは、冨岡義勇と名乗る鬼殺隊の剣士だった。義勇は禰豆子を退治しようとしたが、二人の間に兄妹の強い絆が残っていることに気付き、剣を収めた。

炭治郎は、禰豆子を必ず人間に戻すことを心に誓い、その方法を知るために、鬼を追うことを決意。 義勇の紹介で、育手・鱗滝左近次の元を訪れ、厳しい修行を始めるのだった。

2年に及ぶ修行の間、 ずっと眠り続ける禰豆子を見守りながら、佐近次は「この娘は、人の血を吸う代わりに、眠ることで命をつないでいるのではないか」と、思うのだった。

修行の後には、命をかけた最終選抜試験があったが、炭治郎はそれをなんとか突破し、鬼殺隊に加わるのだった。

次から次にでてくる不気味な鬼たちと繰り広げられる死闘の数々。それを見るのが好きな人もいるのだろうが、私はその手の戦いものは、気味が悪くて正直楽しめない。

しかし、このストーリーの魅力はそんなことではなく、炭治郎と禰豆子のあり得ないような兄妹の絆につきると思う。
炭治郎はどんなときも禰豆子を木箱に入れて背負って歩き、いつもそばに置いて、鬼退治をする。
そして、禰豆子は、本当の鬼になるまいと、いつも必死に耐えている。ときに、炭治郎が 間一髪で危ないときには、突然飛び出して身を呈して助けたりもする。

そして、その二人の絆の根底には、炭治郎の優しい心と愛がある。
彼は、鬼になって死んでいく者の悲しみさえも受け止められる、温かい気持ちの持ち主なのだ。優しい言葉と、とびきりの笑顔がとにかく愛らしい。

とはいえ、鬼殺隊に入ることは、まだまだスタートに過ぎない。
これから、もっともっと強い鬼と、対峙しなくてはならないのだから。

嗅覚のいい炭治郎は、初任務のときに、禰豆子が鬼になるときと同じ匂いを感じ取り、それをたどることで、鬼たちの祖である鬼舞辻無惨と接触できた。無惨は人間に化けており、人ごみを盾にして逃れたため、手出しすらできなかったが、 鬼でありながら鬼舞辻を殺そう と考える珠世と出会うことにより、鬼舞辻に近しい鬼の血液を採取するという、更なる目的を持つこととなる。それが、すなわち禰豆子を鬼から人に戻す研究の助けにもなるというのである。

鬼殺隊に、鬼の禰豆子が殺されそうになるのを、二人の絆で回避したり、全集中の呼吸法で、身体能力を高める苦行に励んだり、次々起こるエピソードが、興味深い。

そして、炭治郎はもっともっと強い鬼に勝つために、いつかは鬼の祖をも倒すために、厳しい修行を重ね、先輩や仲間たちと命懸けで戦うのだ。

アニメで放映された第1回から26回まででは、残念ながら、その後、鬼舞辻のところまで、行き着くことはできていない。

でも、マンガの連載はまだ続いているので、この先きっと、その日が来るにちがいない。
鬼舞辻との闘いは、それは恐ろしい死闘が予想されるが、炭治郎と禰豆子の強い絆と思い合う気持ちで、きっと打ち勝ってくれるだろう。
そんな、夢のあるエンドを迎えてくれることを信じて、筆を置くことにする。


鬼滅の刃 1 (ジャンプコミックス)

鬼滅の刃 1 (ジャンプコミックス)