勝手にアラカルトレヴュー

【読書】と【映画】のブログ

高橋昌一郎『ゲーデルの哲学 不完全性定理と神の存在論』by 弟

最近、言語哲学から計算哲学へ、というようなことを考えていた。言語哲学が言語によって知り得ることと知り得ないことを峻別し、言語によって知り得ないことは沈黙する哲学だとすると、計算哲学は計算によって知り得ることと知り得ないことを峻別し、知り得…

『社会人のためのデータサイエンス入門 改訂第3版』by 兄

gacco (無料で学べるオンライン講座)の「社会人のためのデータサイエンス入門」の講義資料が、冊子としてまとまっている。私も先日、gaccoで上記の講義を一通り受講した。「統計学は最強の学問である」の著者で有名な西内氏をはじめ多様な講師陣が登場する…

『現役東大生が書いた地頭を鍛えるフェルミ推定ノート』by 兄

商品開発の仕事では、市場規模情報をよく利用する。 これから開発していく商品の儲けを予測する上での参考情報になるからだ。既存の商品群の改良型開発であれば、その商品の市場規模は既に分かっているので、特に問題にならない。 しかし、今までにない新商…

落合陽一『魔法の世紀』

1973年に、SF作家アーサー・C・クラークは、「充分に発達した科学技術は、魔法と見分けがつかない。」という言葉を残したそうだ。著者は、この本の中で、 『現在のコンピューター開発の流れは、立体物をコピーする3Dプリンタ技術など、もはやディスプレイの…

中野崇『マーケティングリサーチとデータ分析の基本』by 兄

本書はネットリサーチの最大手である株式会社マクロミルの執行役員が書いた本である。新型コロナの影響で、対面式のインタビューなどはしばらく実施できないため、ネットリサーチを利用する機会が増えるように思う。 調査会社のネットリサーチを利用する前に…

ジャスパー・ウ『実践スタンフォード式デザイン思考』by 兄

実践 スタンフォード式 デザイン思考 世界一クリエイティブな問題解決 できるビジネスシリーズ作者:ジャスパー ウ,見崎 大悟発売日: 2019/09/06メディア: Kindle版デザイン思考という言葉はビジネスの世界で近年バズワードになっている。 イノベーションを起…

安宅和人『イシューからはじめよ-知的生産の「シンプルな本質」』by 兄

イシューとは何か。 日本では馴染みがないが、欧米ではよく使う言葉らしい。本書の表現の中で、一番しっくりきたイシューの定義を紹介する。イシューとは、「今、本当に答えを出すべき」でかつ「答えを出す手段がある」問題のことである。本書のタイトルにも…

小飼弾『「中卒」でもわかる科学入門 "+-×÷"で科学のウソは見抜ける!』

東日本大震災は、人々からいろいろなものを奪いました。 その時たまたま、ニューヨークでテレビを見ていた私は、突然画面いっぱいに流れ始めた狂ったような津波の映像に、驚きこそすれ、すぐに現状を理解することができませんでした。日本で大震災が起きて、…

吉村昭『漂流』

時は江戸。これこそ、本物のサバイバルゲームだ。一気に読める名作でもある。 『漂流』は、1975年に『サンケイ新聞』で連載された、 吉村昭の長編小説。加筆訂正後に、単行本として刊行された。 史実に基づき、淡々と、かつ滑らかに語る吉村昭の文章が秀逸で…

小飼弾『新書がベスト 10冊で思考が、100冊で生き方が変わる』by 弟

気になった言葉がたくさんある。「これからの世の中で生き残りたければ、新書を読め。」「本を読むことが強みになるかどうかの境目は、1000冊です。」「信者になるな、読者になろう。」「自分なりの知の体系をつくるために読書をしているのに、他人の価値観…

青年僧は、なぜ金閣を炎上させたか。三島由紀夫『金閣寺』

青年僧は、なぜ金閣を炎上させたか。 1950年7月1日 、「国宝・金閣寺焼失。放火犯人は寺の青年僧」という衝撃のニュースが世間の人々を驚かせた。この事件の陰に潜められた若い学僧の悩みと葛藤を解き明かすべく、多数の作家たちにより文学作品が生まれた。 …

智(ち)に働けば角(かど)が立つ。情に棹(さお)させば流される。意地を通せば窮屈だ。とかくに人の世は住みにくい。夏目漱石『草枕』

「山路(やまみち)を登りながら、こう考えた。智(ち)に働けば角(かど)が立つ。情に棹(さお)させば流される。意地を通せば窮屈だ。とかくに人の世は住みにくい。・・・・」 夏目漱石『草枕』の有名な冒頭だ。 小説を読んでいなくても、どこかで、この…

鬼を背負って戦う剣士。<アニメ>『鬼滅の刃』

『鬼滅の刃』(きめつのやいば)は、吾峠呼世晴によるマンガで、2016年より『週刊少年ジャンプ』(集英社)に連載されている。 大正時代の山奥の寒村で生まれ育った、家族思いの優しい少年 ・竈門炭治郎が主人公。亡き父の跡を継ぎ、炭焼きをして家族の暮ら…

入門・裏アメリカ史。ハワード・ジン『学校では教えてくれない本当のアメリカの歴史 下 1901---2006』

アメリカの国際政治学者ハワード・ジンが1980年に発表した『民衆のアメリカ史』を、歴史読み物作家レベッカ・ステフォフが、ヤングアダルト向けに編集したもので、これはその下巻である。上巻では、コロンブスのインディアン殺戮から、19世紀までの格差と差…

人間とコンピュータの共生。落合陽一『超AI時代の生存戦略 シンギュラリティに備える34のリスト』by 弟

計算機技術の発達により社会が変化する。そのとき既存のやり方や考え方はどう変化するのだろうか。そのことについて具体例を出しながら思考したのがこの本だ。議題は、仕事・プレゼンテーション・研究・政治・学習法・食事・ファッション・友達・住居・投資…

齋藤和紀『シンギュラリティ・ビジネス AI時代に勝ち残る企業と人の条件』by 弟

米国のカリフォルニア州にある「シンギュラリティ大学」に興味を持ち本書を読むことにした。著者の経歴を見ると、1974年生まれ。早稲田大学人間科学部卒、同大学院ファイナンス研究科修了。シンギュラリティ大学エグゼクティブプログラム修了。と書いてある…

田中道昭『ソフトバンクで占う2025年の世界 全産業に大再編を巻き起こす「孫正義の大戦略」』

次々と大勝負を仕掛ける孫正義社長とソフトバンクグループを、大学教授でもあり会社役員でもあり、経営コンサルタントでもある著者が、独自の分析法で徹底分析して、近未来予測をする一冊。まず、ソフトバンクとは、そもそもどんな会社なのかだが、パソコン…

《映画》『アポロ13』

人類初の月面着陸。 あの輝かしいアポロ11号の偉業と感動から一年。 人々の宇宙熱も少し覚めはじめていた1970年4月、 3度目の有人月飛行であるアポロ13号が、月に向けてヒューストンを飛び立った。しかし、発射後まもなく、異常事態勃発。 爆発による船体ト…

森沢洋介『スラスラ話すための瞬間英作文シャッフルトレーニング』

『どんどん話すための瞬間英作文トレーニング』で、スピーディーに簡単な英文ができるようになった貴方に、 そして、留学経験があったり、仕事や生活で英語を使ったことがあり、英語に自信はあるけど、最近使ってなくてちょっと錆びてるかも・・・と、心配な…

森沢洋介『どんどん話すための瞬間英作文トレーニング』

中学以来、ずーっと英語は習ってるし、受験で文法や読解は結構やったはずなのに、 いざ、アメリカ人に話しかけようと思ったら、簡単な会話すらうまく出てこない!! 貴方はこんな経験ありませんか!?そんな貴方に絶対オススメなのがこの本です。 とにかく、…

ハワード・ジン『学校では教えてくれない本当のアメリカの歴史 上 1492---1901』

ボストン大学で政治学教授を務めたアメリ カの歴史学者ハワード・ジン著の 「民衆のアメリカ史」を、レベッカ・ステフォアが、青少年のために編集し直したのが、この本、「学校では教えてくれない本当のアメリカの歴史」である。世界一自由で民主的なアメリ…

多和田葉子『献灯使』

ドイツ在住だった著者が、 3.11後の日本を目の当たりにして書き上げた、デストピア文学。 そこには、大災厄後の ボロボロとなった世紀末の日本が、独特の世界観で描かれている。外来語も自動車もインターネットも無くなった鎖国状態の日本。 死を奪われた老…

三浦瑠璃『孤独の意味も、女であることの味わいも』

旺盛な執筆、言論活動を続けながら、「朝まで生テレビ!」、「ワイドナショー」などテレビでも、国際政治学者として、活躍する著者・三浦瑠璃が、書きおろした自叙伝。 ちょっと心を伝えるのが苦手で、他の子と違っていた読者好きの少女が、試行錯誤しながら…

道尾秀介『満月の泥枕』

道尾秀介の人情ミステリー小説。母親に捨てられた姪の汐子を引き取り、貧乏アパートで、ほぼその日暮らしをしている二美男には、大切な一人娘を、自分のせいで亡くしたという、深く哀しい過去がある。そして、この二人に限らず、このアパートの住人たちは、…

《映画》『ドリーム』

久しぶりに清々しいアメリカ映画に出会えて、感激!!肌の色が違う女性たちが、性別と人種という二重の差別に合いながらも、その差別や偏見をものともせずに、毅然と立ち向かっていく姿が、あまりにも格好いい。舞台は、アメリカとソ連が反目しあい、冷戦と…

《読書》柚月裕子『臨床真理』

2008年第7回「このミステリーがすごい!」大賞を受賞した、柚月裕子のデビュー作。「救急隊出場。現場は知的障害者入所更生施設公誠学園、傷病者は出血がある模様」駆けつけた救急隊員が目にしたのは、施設の風呂場で横たわる失血状態の15才の少女と、動揺…

《読書》杉村寿重『たった1枚の紙で誰でも意思決定できてしまうブレイン・コネクト』

昨年、この本の著者・杉村寿重さん主宰のマインドマップの講習会に参加する機会を得た。マインドマップとは、学習能力や理解能力を高めるための脳の使い方のこと。1970年代に活躍した英国人作家トニー・ブザン氏が提唱したノート術である。マインドマップは…

《映画》『日日是好日』

『日日是好日』は、エッセイスト・森下典子による自伝エッセイ『日日是好日-「お茶」が教えてくれた15のしあわせ-』を原作とした、2018年10月13日公開の日本の映画作品。 監督・脚本は大森立嗣。主役の典子役を黒木華、典子が通う茶道教室の先生役を樹木希林…

《読書》森下典子『日日是好日』

著者が、25年にわたりお茶の稽古をする中で得た様々な気づきをしたためたエッセイ。軽い気持ちで始めたお茶の稽古は決まりごとばかり。 どうしてそうするのかを疑問に思ってたずねても、先生は「わけなんかどうでもいいから、とにかくこうするの。それがお茶…

前田裕二『人生の勝算』

いま最も注目される起業家の一人・前田裕二によるビジネス、いや人生に成功するためのエッセンス本。幼くして両親をなくしてしまった少年時代。小学生ながらお金を稼ぐために始めたギターでの路上ライブ。オリジナル曲を作ったり、リクエスト曲をカバーした…