本谷有希子『江利子と絶対』

本谷有希子の短編集。
三編のごく短いストーリーたちの中に、濃い本谷ワールドが凝縮されているらしい。確かに軽快で読みやすい文章に、伝えたいことがぎっしりストレートに詰め込まれている感じがする。きっとこのひとの描く舞台は面白いのだろうと連想できたが、小説としては、うーんどうなんだろう。違う気がする。

一作目の江利子はほぼ引きこもりの高校生。ボンレスハムみたいにぐるぐる巻きにされていた犬を救いだし、絶対と名付け、どんなときも絶対自分の味方となることを求める。譲れない正義感をうちに秘めていて時々それが炸裂する。
かなり激しい展開だが、まだ理解可能だった。

二作目は、もはやグロテスクとしか言いようがない。
おじさんいじめの容赦なさも、ひどすぎるが、猫を電子レンジでチンした時点で、私としては完全にアウトだった。

三作目は、簡単に人を殺してしまうお兄さんの話。
最後にほんの少しだけ光が見えたが、あまりに絶望的で暗い。

読み終わったときに、ホッとしたり、あたたかい気持ちになれるような話を求めてしまう私には、あまりにもグロテスク過ぎて辛いワールドであった。