【読書】七月隆文『ぼくは明日、昨日のきみとデートする』

 奥手で女の子と付き合ったこともない主人公・ぼくが、京阪線で見かけた愛らしい彼女に一目惚れ。

 ハードル高過ぎて絶対無理と思いつつも、何かの力に押されるように、必死に声をかけると、なんと彼女がうなずいてくれたのだ。

 彼女は携帯を持っていなかったけれど、ふたりは自己紹介をして、宝ヶ池のまわりを散歩した。


 ぼくは、イラストレーター志望の二十歳。

 彼女は、美容師専門学校に通う二十歳。


 夢のような時間は瞬く間に過ぎた。

 別れ際、「また会える?」と、ぼくはドキドキしながら尋ねると、何故か彼女が泣いてしまった。

 ぽろぽろとすごい勢いで落ちる涙。

 何が起こったのかわからなくて固まっていると、

「ちょっとね……悲しいことが、あってね」と、彼女。

 涙に濡れた瞳がぼくを見つめた。

「また会えるよ」

 急にふたりの距離が近づいて、お互いを大切な人と意識する。


 そこからは、甘酸っぱいような、麗しい青春ラブストーリー。

 と、思いきや、突然、思いもよらない彼女の秘密が明かされる。

 そして、彼女がどうしていつも涙脆かったのかが、ずしんと胸に響いてくるのです。

 数奇な運命と涙の訳は、貴方自身で確かめてみてください。


 ぼくは明日、昨日のきみとデートする