科学のカラヴァッジョ派ブログ

ブログのコンセプトは「文学少女が物理学の本を読んだら」です。科学の恋愛至上主義。外見重視。

ビートたけし『アナログ』

「お互いに会いたいと思う気持ちがあれば、絶対に会えますよ。ただピアノに来ればいいんですもの。」

 主人公悟がインテリアを手掛けた喫茶店ピアノ。たまたま、そこで出会ったみゆきと名乗る女性と、毎週木曜日夕方、その店でまた会うことだけを約束する。お互い知っているのは、名前だけ。

 悟は、木曜日に急ぎの仕事が入ったり、出張がかさなったりする度に、会いたくて、残念で、胸が苦しくてたまらない。

 二人は、このアナログでミステリアスな距離を保ちながらも、確実に惹かれ合っていく。

 しかし、何故か突然、みゆきが店に姿を見せなくなってしまう。いったい何があったのだろう。


 そこから話は様相を変えていく。


 どこもかしこもデジタルな時代に逆行するような、ふたりの関係。ふたりを取り巻く、ひょうきんだが、思いやりのある愛すべき友達。年老いた母が子を思う心。

 どこを切り取っても、胸を打つラブストーリーといえるだろう。


 全くビートたけしという人は何者なのだろうか。ヤンチャなお笑い芸人であり、映画の巨匠であり、芸術家でもあり・・・・。

 そして、こんな話を紡げるのだから、少年のようなピュアな心を持った人に違いない。


アナログ

アナログ