科学のカラヴァッジョ派ブログ

ブログのコンセプトは「文学少女が物理学の本を読んだら」です。科学の恋愛至上主義。外見重視。

カズオ・イシグロさんのノーベル文学賞受賞を記念して。『わたしを離さないで』

 カズオ・イシグロさん、ノーベル文学賞受賞、おめでとうございます。

『わたしを離さないで』は、私が一番好きな本です。


 へールシャムと呼ばれる閉鎖的な寄宿舎で繰り広げられる平穏な日々の積み重ね。ささやかな楽しみや、どこにでもありそうないざこざが、淡々と綴られながら物語は始まります。

 その先に絶望的な運命が待っているとは知らされずに。

 しかし、意外にも早い段階でその事実が明かされます。

 そして、その事実と向き合いながら、悲しんだり、笑ったり、絶望しながらも、お互いを愛し続ける主人公たちの切実な姿に、胸をしめつけられました。



「わたしを離さないで」

 いつだって社会に対する批判は大切な人への、この言葉ではじまり、この言葉で終わるのかもしれません。

 この小説は社会が越えてはいけない一線を考えさせる、切ないラブストリーです。


 とにかく、私はこの小説にやられちゃいました。



わたしを離さないで (ハヤカワepi文庫)

わたしを離さないで (ハヤカワepi文庫)