科学のカラヴァッジョ派ブログ

ブログのコンセプトは「文学少女が物理学の本を読んだら」です。科学の恋愛至上主義。外見重視。

恩田陸『蜜蜂と遠雷』

 近年注目度が高まっている芳ケ江国際ピアノコンクール。百人以上のコンペティタント達が繰り広げる、熱い二週間の闘いの幕が、今、切られようとしている。

 13歳で、愛する母の急死に直面し、ピアノを弾けなくなってしまった、かつての天才少女、亜夜が、7年ぶりにステージに帰ってきた。会場での、おさな馴染み、マサルとの偶然の再会。幼い日に、亜夜からピアノの愉しさを伝えられたマサルは、いまや、名門ジュリアード音楽院の天才貴公子に変身していた。彼がステージに立つと、会場がどよめいた。

 そして、巨匠ホフマンからの謎の推薦状を携えた風雲児、カザマ・ジン。彼の自由な音楽が、亜夜達の調べを、よりいっそう目覚めさせていく。そして演奏を、さらに高めていく。あたかも起爆剤のように。


 第一次予選から、第三次予選、そして本選へと続く熱く長いコンクールを、間近で共に体験するような臨場感が、音楽と無縁の私には、やけに新鮮で、ドキドキ感がたまらなかった。

 また、ギフトを与えられた者達だけが、分かち合える音楽の存在、認めあった者達だけが引き起こす化学反応のような高め合いや成長に身震いを禁じ得なかった。

"ミュージック。その語源は、神々の技だという。"  


蜜蜂と遠雷

蜜蜂と遠雷


恩田陸『六番目の小夜子』 - マティスが好きな大学生の日常