科学のカラヴァッジョ派ブログ

ブログのコンセプトは「文学少女が物理学の本を読んだら」です。科学の恋愛至上主義。外見重視。

わび・さびアヴァンギャルド

利休の「わび・さび」

千利休は、村田珠光以来、茶の湯の世界に生じてきた「わび・さび」の精神性を追求しました。しかし、利休が急速に「わび・さび」の茶に傾倒するのは遅く、六十歳で死を迎えるまでのわずか十年間のことでした。晩年の利休は、徹底的に装飾性を排していき、最後には二畳の茶室を造ります。部屋の窓も少なく、道具も名器を使うのではなく、茶器は漆黒の真塗の棗、茶碗は黒い楽茶碗や割れ茶碗でした。そして掛物は紙表具が理想という独特の境地に達しました。

織部の「破格」

しかし、吉田織部は利休が究極の空間として造り上げた二畳の茶室を広くし、明り窓も取り入れました。また本来は深山幽谷の世界を表現するための、茶室に至る苔むした露地にたんぽぽの花を植え、華やかな演出をしています。こうした明るい茶室で、ゆがみ、奇抜な形をした道具で茶を点てたのでした。まさに「破格」です。

遠州の「綺麗さび」

そして、織部のあとを継いだのは小堀遠州です。遠州の時代は平和で、古典主義的な美や、均整のとれた優美な装飾性が求められるようになった時代です。時代を象徴する美意識は綺麗でした。そして遠州は無駄を削り込んだわびの茶の湯に磨きをかけて艶を与え「綺麗さび」という美意識をつくりました。

茶の湯の宇宙 (朝日新書)

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