科学のカラヴァッジョ派ブログ

ブログのコンセプトは「文学少女が物理学の本を読んだら」です。科学の恋愛至上主義。外見重視。

リーマンと空海

人間が「数学する」ことにおいて、最も重要な行為は「計算する」ことと「見る」ことである。
19世紀の数学者リーマンが数学をしていた時代は代数関数の計算があまりにも複雑になりすぎていた。そこでリーマンは代数関数を考える代わりに、それが住んでいる「面」を考えることを提唱した。
実際にこの面を描いてみると、穴がいくつか空いた浮き袋の表面のような「図形」になる。ようするにドーナッツみたいなもの。
リーマンは代数関数は面であり、面は代数関数である、と述べる。そしてリーマンは代数関数体を考えることと面を考えることは同じことだと言明した。「計算する」ことと「見る」ことを統合したのだ。
リーマンが活躍した時代に覆っていた「複雑な計算」を「煩瑣な解釈」に置き換えると、空海の行ったことと重なる。
空海は経典を前にした「煩瑣な解釈」による悟りではなく、ヴジュアルイメージによる悟りを提唱した。そして「思考を深める」プロセスと「良く観る」プロセスが連動したシステムを構築し、良く観れば観るほど思考が進むようにした。曼陀羅である。やがてヴジュアルを重視したこの方法を密教と呼ぶようになる。
「複雑な計算」を顕教とするなら、それを超越したリーマンの「観る」方法は密教である。だからリーマン以後を生きる現代数学者たちはみな密教徒なのだ。
空海の手話 - kmasato’s diary

空海の夢

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