科学のカラヴァッジョ派ブログ

ブログのコンセプトは「文学少女が物理学の本を読んだら」です。科学の恋愛至上主義。外見重視。

安部龍太郎『等伯』

能登・七尾で武士の家に生まれた信春は、長谷川家の養子となり、絵仏師として活躍していたが、どうしても都に出て天下一の絵師になりたい。 時は、戦国の世。織田信長の時代である。 この一念を貫く為には、様々な難関を通りぬけなくてはならない。まわりの…

山崎力・小出大介編著『臨床研究いろはにほ』by 兄

食品がヒトに効くかを調べたいと思ったとき、医薬品と同様、ヒトを対象にした臨床研究をする必要がある。 ヒト試験のプランニングにはコツがあり、PECO のフレームに当てはめるとすっきりする。 Patient どんな患者さんに Exposure 何をすると Comparison 何…

澤田瞳子『若冲』

若冲は、京の青物を取り仕切る大店の長男として生まれた。23才で家督を継いだが40才で弟に店を譲り隠居。85才で死ぬまで、絵を描き続けた。 家業を顧みず、絵を書く若冲を、少しでも落ち着けようと、母は三輪を娶らせたが、いっこうに暮らしぶりは変わ…

ビートたけし『アナログ』

「お互いに会いたいと思う気持ちがあれば、絶対に会えますよ。ただピアノに来ればいいんですもの。」 主人公悟がインテリアを手掛けた喫茶店ピアノ。たまたま、そこで出会ったみゆきと名乗る女性と、毎週木曜日夕方、その店でまた会うことだけを約束する。お…

柚木麻子『伊藤くんA to E』

これは、伊藤君を取り巻くA、B、C、D、E、5人の女性達のお話である。 美形で博識でボンボン。自意識過剰で幼稚。決定的な局面から逃げ続ける男。どこをどう見ても、しょうもない男・伊藤誠二郎。でも彼は主人公じゃない。 この男に関わって、こともあろうに…

モーパッサン『女の一生』[訳・永田千奈] ( 光文社古典新訳文庫 )

今回は、名作・モーパッサンの『女の一生』。 あまりに有名すぎて、今さらあれこれ言うのもおこがましいが、主人公ジャンヌの妥協の人生ぶりには、かける言葉が見つからない。わずか3ヶ月のお付き合いで結婚した夫がとんでもない人で、夫と、甘やかした息子…

加藤シゲアキ『Burn.-バーン-』

輝かしい賞を受け、公私ともに絶好調の演出家レイジ。しかし、何故か20年前の記憶がすっぽりとぬけていて思い出せない。 不慮の事故をきっかけに、その記憶が少しずつ蘇り始め、かつての自分が、あぶり出される。 天才子役と騒がれながらも、公園で先輩た…

歴史的な日本人数学者についてのメモ

以前、高木貞治さんのことを、数学の百科事典「プリンストン数学大全」の年表にフルネームで載っている唯一の日本人と書いて紹介してしまったけど、もう一人フルネームで載っている日本人がいることに気がついた。その部分の近くだけ抜粋する。 1664~72年 …

住野よる『君の膵臓をたべたい』

君の膵臓をたべたい 住野よる 社交的で限りなく明るいクラスメイト・桜良の余命が短いことを、偶然知ってしまった「僕」。 その日から、読書だけが友達の地味な僕が、どういうわけか、「人気者桜良の死ぬ前にやりたいこと」につきあわされる。 一緒にやりたいこと…

村上龍『希望の国のエクソダス』

二十世紀末、バブル破綻のつけを清算できないまま、日本経済が右往左往する中で、この小説は書かれた。 今まで絶対的と思われてきた金融機関、終身雇用、大手一流企業神話…いろんなものが、崩れ始めた時代。今まで当たり前だと思ってきたセオリーが通用しな…

カズオ・イシグロさんのノーベル文学賞受賞を記念して。『わたしを離さないで』

カズオ・イシグロさん、ノーベル文学賞受賞、おめでとうございます。『わたしを離さないで』は、私が一番好きな本です。 へールシャムと呼ばれる閉鎖的な寄宿舎で繰り広げられる平穏な日々の積み重ね。ささやかな楽しみや、どこにでもありそうないざこざが、…

岡敦『強く生きるために読む古典』

強く生きるために読む古典岡 敦 世の中は、鈍感なほど生きやすい気がする。 作者は、高校生の多感な時期に、新左翼運動に関わり、友の死に直面した。 また、両親の破産、離婚を経験し、母とふたり、負債を逃れてたどり着いた飯場生活の中で、厳しいながらも…

小川洋子『人質の朗読会』

遺跡観光を終えたマイクロバスが、山岳地帯で反政府ゲリラの襲撃を受け、乗客8人が拉致された。 廃屋の中で、人質達は生きるために朗読会を始める。 必要なのは、じっと考えることと、耳を澄ませること。 しかも、いつになったら解放されるのかという未来で…

湊かなえ『境遇』

―私たちが親友になれたのは、同じ境遇だからなのかな― 共に幼い頃親に捨てられ児童養護施設で育った過去を持つ、陽子と晴美。大学時代、ボランティアで出会った二人が友達になるのに、時間はかからなかった。新聞記者となった晴美と政治家の妻になった陽子。…

小川洋子『ブラフマンの埋葬』

ヨーロッパの村外れだろうか。緑に包まれた田園の中に、あらゆる創作活動を営む芸術家達のための場所がある。元はある出版社の社長の別荘だったが、遺言により〈創作の家〉として無償で提供されている。 大勢の人々がそこを愛し、静かな時間と新たなインスピ…

竹宮ゆゆこ『砕け散るところを見せてあげる』

センター試験間近の高校三年生、賓田清澄は、校内でいじめられてる1年生の女の子、玻璃を目撃。ヒーローっぽく助けようとしたことから、全てが始まった。 清澄の頑張りでいじめはなくなったのに、玻璃の体のアザはなくならない。 結局ふたりは、絶対ありえ…

恩田陸『蜜蜂と遠雷』

近年注目度が高まっている芳ケ江国際ピアノコンクール。百人以上のコンペティタント達が繰り広げる、熱い二週間の闘いの幕が、今、切られようとしている。 13歳で、愛する母の急死に直面し、ピアノを弾けなくなってしまった、かつての天才少女、亜夜が、7年…

トニ・モリスン『青い眼がほしい』

"ここだけの話にしてね" これは、おとなの話に耳を傾けている子供たちに馴染み深い言葉だ。作り話や、家族や、近所の噂話をしたりするときに黒人女がいつも前置きに使う。そうやって話がはじめられるとき、これは私たちだけの話で他の人に聞かせることはでき…

小山慶太『寺田寅彦 漱石、レイリー卿と和魂洋才の物理学』

小山慶太さんの『寺田寅彦 漱石、レイリー卿と和魂洋才の物理学』のメモ。 和魂洋才の物理学。 寺田寅彦は光や原子ではなく、尺八、金平糖、椿の花、線香花火について研究した。寺田寅彦の物理学には風情がある。 寺田寅彦の口癖。「ねえ君、不思議だと思い…

原田マハ『暗幕のゲルニカ』

「芸術は、飾りではない。敵に立ち向かうための武器なのだ。」ーーパブロ・ピカソ 1937年、4月26日。内戦真っ只中のスペイン、バスク地方の小都市ゲルニカを、反乱軍とナチスドイツの航空部隊が空爆した。その惨状を知ったピカソは反乱軍と闘う共和国政府を支…

早見和真『イノセント・デイズ』

ーー「もし自分を必要としてくれる人がいるんだとしたら、もうその人に見捨てられるのが怖いんです」 「それは何年もここで堪え忍ぶことより、死ぬことよりずっと怖いことなんです」 そう繰り返す彼女は、驚くほどキレイだった。本を読み終わったとき、この言葉…

コンツェヴィッチの「自在さと危うさ」

数学者についてのエッセイ集 ( 『現代幾何学の流れ』) に載っている深谷賢治さんのコンツェヴィッチについての文章が面白かった。 「コンツェヴィッチは計算を説明するときにいつも絵を描く。その式変形には、絵で説明できる理由があり、式を直接いじってい…

木田元『新人生論ノート』

三木清が昭和十六年に『人生論ノート』を書いた。出るやいなやベスト・セラーになった。戦前のエリートの卵 ( ゆで卵ども ) である旧制高校生にとって西田幾多郎『善の研究』や阿部次郎『三太郎の日記』と並ぶ必読書となった。 三木清は死について、幸福につ…

平野啓一郎『葬送』、叙事詩。

舞台はパリ。それも、ブルジョア中心の7月王政から、市民革命、第二共和制へと、めまぐるしく移り変わりゆく激動のパリ。 サロンで時代の寵児として愛される天才音楽家ショパンとその愛人ジョルジュ=サンドのロマンスと離別、天才画家ドラクロワとの友情と…

シュレディンガー方程式と花柄模様

シュレディンガー方程式との出逢い シュレディンガー方程式を初めて見たとき、汚いなって思ったんです。今まで綺麗な方程式をたくさん見てきたから。 導出の過程がいびつだし、ルックスもスマートじゃない。あんまり好きじゃないなって。 それが、シュレディ…

詩人の量子論、高林武彦『量子論の発展史』

高林武彦 高林武彦さんは詩人で物理学者です。その詩心は、フィジカル・センチメンタルで物質情念的です。学者としては、物理学が時折見せる「不思議の国への飛躍」を生涯追求しました。 2008年にノーベル物理学賞をした南部陽一郎さんは高林武彦さんを評し…

アンリ・ルソー的物理学者広江克彦

絵画の鑑賞法 絵画を観るときまず全体を観る。そこから第1印象を受け取り、細部に目を移していく。それに対して音楽を聞くとき、いきなり全体を聞くことはできない。モーツァルトにはできたらしいが。一般には、1音1音積み重ね、最後に全体の印象が残る。 多…

時短テクとしてのマンガ勉強法。by 兄

社会人になると色々なことを勉強しなければ、なりませんよね? 仕事仲間や取引先の方と実りのあるコミュニケーションを交わすためには教養が必須ですし、海外の方と仕事をするには宗教への理解が欠かせません。 直接消費者を相手にする仕事についていなくと…

食品表示検定上級に合格するまでの勉強法。by 兄(上級食品表示診断士)

はじめに 私は大学院生1年のときに食品表示検定を受け始め、社会人2年目に食品表示検定上級に合格しました。具体的な勉強期間は、初級は1カ月、中級は3カ月、上級は2年です。他の受験生の役に立てばと思い、上級合格までの道のりを報告したいと思います。 初…

『まんがで学ぶ 世界の宗教―――日本人は無宗教? 宗教って難しくない(Business ComicSeries)』by 兄

【結論】 宗教とは、何かを信じる心である。 それがあれば、心を強く保てるものがあなたにとっての宗教だ。ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー宗教が何のために存在するのか?人間がいつかは必ず死ぬ存在だから、宗教は存在する。つまり、死に対する恐怖を和…